ゴールドが、かなり派手に落ちました。
「ついこの前まで、金じゃーーー!!って買われてたじゃん(;´Д`)」
と思った方も多いと思います。私もそう思いました。
では、なぜあれだけ強かったゴールドが、急に売られたのでしょうか。今回は、2026年8月のゴールドに何が起きていたのか、できるだけ簡単に整理してみます🐥
🐥 園長のひよこ説とは
公開されているニュースや統計・資料をもとに、「なぜ市場はこう動いたんだろう?」「市場参加者は何を気にしているんだろう?」と、園長なりの仮説を立て、みんなで一緒に考えていくシリーズです。
確認できる事実と、園長の考察は分けて紹介します。
未来を当てるための予言ではありません。ひよこ説なので、普通に外れます(;´Д`)
まずは漫画でざっくり整理🐥

ここから、漫画の内容をもう少し詳しく見ていきます。
まず、今回確認できる事実
8月25日、スポット金は一時4,696.18ドルまで上昇しました。3か月以上ぶりの高値です。
ところが8月28日、FRBのウォーシュ議長の発言を受けて流れが急変し、ゴールドは一時3%以上下落しました。報道時点では、スポット金は一時4,567.23ドルまで下落しています。
では、その数日の間に何が変わったのでしょうか。
8月前半は「利上げしないかも」で上昇
8月前半は、米国の経済データが少し弱くなったことで、
「FRBはすぐには追加利上げをしないのでは?」
という見方が広がりました。
追加利上げの可能性が後退する
↓
米国の金利が下がりやすくなる
↓
ドルも弱くなりやすい
↓
ゴールドが買われやすくなる
さらに、金ETFへの資金流入や、中央銀行などによる金需要、実需や長期保有目的の買いなども、ゴールドを支える材料として意識されていました。
8月後半は、さらに買いが加速
8月19日には、米財務省が長期国債の買い戻し拡大を発表しました。
これを受けて、長期金利とドルが低下し、ゴールドは大きく上昇しました。
さらに、直前の1週間には、世界の金ETFへ約46.7トン、金額にして約64億ドルが流入しました。これは約10か月で最大の週間流入です。
そこへ、200日移動平均線を上抜いたことによるテクニカル面からの買いも重なったとみられます。
いろいろな材料が重なりました
- 利上げ観測の後退
- ドル安・金利低下
- 金ETFへの大量流入
- 中央銀行などによる金需要
- テクニカル買い
- 上昇を見て入ってきた投機的な買い
こうして市場は、「金じゃーーー!!」という状態になっていました🐥
そもそも、ゴールドには金利がつかない
ここで、ゴールドの特徴をひとつ覚えておきたいです。
金そのものを持っていても、利息は生まれません。
100万円分の金を持っていても、金そのものが1年後に勝手に増えているわけではありません。
一方で、米国債などの金利が高くなれば、「金利を生まない金より、利息を受け取れるドル資産を持ったほうがよいのでは?」と考える人が増えやすくなります。
金利が上がると、なんでゴールドが売られやすくなるん?
金には利息がつかんけど、米国債などは金利を受け取れるからす。金利のある資産の魅力が増えると、金利を生まないゴールドには重しになりやすいんよ。
ただし、金利が上がれば必ずゴールドが下がるという意味ではありません。
ドルの強さ、インフレ、景気、地政学リスク、中央銀行の需要など、ほかの材料との力関係で変わります。
8月28日、ウォーシュ議長が登場
8月28日、FRBのウォーシュ議長から、インフレに対する強めの発言が出ました。
ウォーシュ議長は、FRBが重視する物価指標について、前年比3.7%、6か月ベースでは4.1%と指摘しました。
そして、インフレが目標へ明確かつ十分な速さで向かっていると確信できなければ、まだ対応が必要になるという趣旨の発言をしました。
FRBは利上げを決めたん?
まだ決めてないす。市場が「利上げの可能性が高くなった」と考え直したんよ。
ここはとても大切です。
ウォーシュ議長が、利上げを決定したと発表したわけではありません。
特定の政策判断を約束したのではなく、インフレが改善しなければ利上げも選択肢になり得る、と市場が受け取ったのです。
9月利上げ確率が約36%から58%へ
発言前、市場が見ていた9月利上げの確率は約36%でした。
ところが発言後には、約58%まで上昇しました。
「9月利上げ?
まあ36%くらいじゃろ」
「えっ、58%!?
(;´Д`)」
市場が、今後の利上げの可能性を急に高く見積もり直したわけです。
利上げの可能性が強く意識される
↓
米国債などの金利が上がりやすくなる
↓
ドルが買われやすくなる
↓
金利を生まないゴールドには重しになる
ドル「ただいま」
ゴールド「(;´Д`)」
満員電車で考えてみる🐥
その直前まで、ゴールドはかなり買われていました。
電車でたとえると、ゴールド行きの車両が満員だったような状態です。
そこへ突然、「この電車、逆方向へ行くかもしれません」というアナウンスが流れました。
すると、「いったん降りろーーー!!」となります。
- 利益を確定する人
- 損切りする人
- 新しく売り始める人
- 上昇についていこうとして、高いところで買っていた人
いろいろな売りが一気に重なることで、下落が大きくなった可能性があります。
買っている人が多かったからこそ、流れが変わったときに、出口へ人が殺到しやすかったとも考えられます。
ここからが園長のひよこ説🐥
ここまでは、確認できる数字や出来事を中心に整理しました。
ここからは、園長の考察です。
8月のゴールドには、単なる利上げ観測の後退だけではなく、米国債や米国の財政、ドルに対する不安から、金を持っておきたいという市場心理も重なっていたのではないかと見ています。
本来、金利が高いことはゴールドにとって不利になりやすいです。
それでもゴールドが買われていたのは、
「金利が高いならドル資産を持ちたい」
という力よりも、
「ドルや米国債が少し心配なので、金を持っておきたい」
という力が強く意識されていたからではないでしょうか。
ところが8月28日、利上げの可能性が急に意識されました。
その結果、買いがかなり積み上がっていたところへ利上げ警戒が戻り、金利とドルの力が一気に優勢になった。
これが今回の急落だったのではないか。私はそんなふうに見ています。
ゴールドは、もう終わったのか?
じゃあ、ゴールドはもう終わり?
そこまでは分からんす。今回の下落だけで、長期的な買い材料が全部消えたわけではないよ。
今回だけを見ると、
- 金利が高いならドル資産を持ちたい派
- ドルや米国債が心配なので金を持ちたい派
のうち、いったん「ドル派」が勝ったように見えます。
ただし、米国の財政や国債に対する不安、中央銀行などによる金需要、ドルに対する警戒、地政学的な不安まで、すべて消えたわけではありません。
したがって、今回の下落だけで、「ゴールドはもう終わった」と決めるのも、まだ早いと思っています。
一方で、これまであまり意識されていなかった、「金そのものには金利がつかない」という弱点が、久しぶりに市場から強く意識された。
今回の急落は、そんな場面だったのではないでしょうか。
これが今回の、園長のひよこ説です🐥
※この投稿は、相場で起きた出来事を学習目的で整理したものです。特定の売買や、ゴールドの買い・売りを推奨するものではありません。
※相場は複数の要因で動きます。ここで紹介した考察が、今後の値動きを保証するものではありません。


